御机そばはふるさとへの恩返しなんです

御机集落

江府町御机集落の区長として御机共生の里委員会に参加し、委員長として御机そばの商品化を推進してきた加藤正人さん(68)に御机そばができた経緯をお伺いしました。年越しそばのシーズンです。御机そばをお楽しみください。

左官として大阪に出稼ぎした

日野産業高校畜産科を卒業しました。笠良原地区で高原大根を作る生産組合に2反を分けてもらい農業を始めました。小さい耕運機を買って農業を始めましたが、初年度は7万円の赤字でした。赤字を埋める必要があり、自動車が欲しかったこともあり、大阪に出稼ぎに行くことにしました。左官屋の弟子となり11月から3月までの冬期間に働きました。大阪でもらえる給料はふるさとでもらえる給料の2倍。そこで給料の半分を仕送りとして送金しましたが、大阪から送られる給料と田舎で得る給料は結局同じで、ふるさとで生活できるのであれば、ふるさとで働くほうがいいと悟り、3年目から地元の義理の兄貴が働く建設会社で左官として働きました。

加藤正人さん

牛を2頭飼いました。牛と大根栽培と左官で生きてきました。しかし、農業だけでは生きていけないよ。今は農業公社に所属して水稲の受託をしています。45ヘクタールを5人で耕作しています。田植え、代掻きなど、人がいないときに駆り出され、農業の現場で働いています。個人的には7反の水田を維持しています。7反は1人でできる最大の規模です。先祖から受け継いだ水田を守っていかないといけないと考えています。

御机そば

御机共生の里委員会に区長として参加し委員長に就任しました。委員会のメンバーは、鳥取県、江府町、御机集落、サントリー、有識者の合計16名です。御机集落にはサントリーの天然水工場の水源地が2か所あり、その水源地はサントリーが所有しています。この水源地を結ぶ間に未利用の土地があり、ここを有効利用しようということになったのです。最初は景観作物を植えようと菜の花を植えることになりました。景観を守るのが目的ならばそばもきれいな花を咲かせられる。できたそばの実でそばも作れる。そばを植えようということになりました。平成26年から委員会が始まり、借地を契約し、農地として整備し、平成28年から蕎麦の種を蒔きました。この年はそばを5反耕作しました。今は菜の花を3反、そばを1丁7反植えています。できたそばは製麺所に委託し、生麺を製造しています。10割そばにしました。パッケージデザインもできました。実績出たでしょ。記者発表の現場に出されましたが、テレビカメラの放列、記者のインタビューといやあ参った、参った。あんな経験はじめてだ。でもね、この地に育てていただいた、その恩返しと思ってそばを作っているのです。

 出典:奥大山蕎麦ブランド化推進協議会Facebook

後継者の育成が必要

実績が出たものの利益はないですよ。草刈りなどに手間がかかる。その賃金が出ないです。もう少し稼げるようにならないと後継者が引き継がないでしょう。これから集落営農に向かうのでしょうが、跡継ぎの育成が必要です。

御机そばができるまで

 出典:奥大山蕎麦ブランド化推進協議会Facebook