鳥取和牛は和牛業界のアーモンドアイ

鳥取県中央家畜市場和子牛競り市

アーモンドアイ

2020年はコロナ禍の嵐の中で終わろうとしている。そして競馬界ではジャパンカップを最後に、現役を引退するアーモンドアイが忘れられない年となった。日本競馬史上最強の牝馬のアーモンドアイは、これから子馬を10頭も産むのであろうか。雄の種馬であれば、1000頭以上の子馬に種をつけることができるが、牝馬は10頭が最大だ。だから早い引退も仕方がないのだろうか。

活況の鳥取県中央家畜市場競り市

一方、和牛も競走馬と同様に、雄牛は種牛として生きるか、去勢され肥育農家に引き取られ、ブランド牛となる道を選ぶ。鳥取和牛を支える雄牛の白鵬85-3は、鳥取県内の牧場で今も種の供給元として活躍している。また、雌牛は白鵬85-3の種の継承者として高値で販売される。買い取られた雌牛は最大10産し、10頭の子牛を産む。この10頭は、また高値で買い取られる。1頭のもと牛(母牛)は競り市の売価が動かないことを前提とすれば、少なくとも10倍の付加価値を生むわけだ。白鵬85-3の存在があることから鳥取和牛の雌牛はまさに和牛業界のアーモンドアイなのだ。

当日の最高価格は300万円

鳥取県中央家畜市場和子牛競り市を訪問した。当日の競りには、良質な種を継承する子牛を求め、バイヤーが全国から集まり、活況を呈していた。去勢 161頭、めす 137頭が、鳥取県内の畜産農家から出品される中、去勢161頭の平均価格は835,262円(最高価格:1,439,900円、白鵬85の3)、めす137頭の平均価格は988,707円(最高価格:2,975,500円、白鵬85の3)となった。購買者数は150名、うち県外購買者104名とまさに県外から注目されている競り市だったことが分かる。

1頭の雌牛を競りに出す

江府町の農家、加藤愛敬さんは6頭の牛を保有する農家だ。大手通信会社に勤務後、定年を迎え、畜産農家を継承した。当日は1頭の雌牛を競りに出した。その姿を追った。

加藤愛敬さん(63)と雌牛252番

競りにかけられる加藤さんの雌牛252番

全国から集まるバイヤー

場外でテレビ中継を見守る畜産農家

雌牛252番の価格が決定

価格決定の証書を受け取る

雌牛252番を落札者のブースに運ぶ加藤さん

落札者に引き取られる子牛

競り市会場に並ぶトラック

競り市会場全景

競りを待つ子牛(当日は298頭)

会場を見学する倉吉農業高校生

鳥取県中央家畜市場入り口